富士吉田の天然水とは?

なぜ富士吉田は
天然水の聖地なのか?

私たちが普段なにげなく飲んでいる水について考えたことはありますか?
なぜ富士吉田市が天然水の聖地なのか?その理由をご紹介します。

富士山麓一ピュア

富士吉田市の水関連事業エリアには、畜産圃場、スキー場ゴルフ場が全くなく、地下水汚染の指標となる硝酸·亜硝酸窒素(発がん性物質)が限りなく0に近いという結果が出ています。
また、富士吉田市と慶應義塾大学との共同研究の結果、富士吉田市の天然水(原水)と、他の地域を比較して、汚染度を表す一般細菌数、有機物数、濁度が圧倒的に低いことがわかっています。

ミネラル豊富な美味しい水

富士山は、多層の玄武岩層が形成される世界でも唯一の地形であり、その玄武岩層をゆっくりと浸透する間に ミネラルが程よく溶け込んで美味しい天然水となります。
健康にいいと言われるバナジウムなど27種類の天然希少成分を豊富に含んでいます。
また、お米やお茶など日本の食文化を活かす水として評価を受けています。

34億トンの豊富地下水

富士吉田市地下水モニタリング調査等の結果、地下水涵養量は、富士山全域で約300億トン。
富士吉田市で約38億トンと豊富です。
年間の事業用市民生活用を含めた使用量は、0.1億トン、地下貯水量の約0.26%を使用していることになります。
また、毎年0.9億トンが新たに供給されています。 

ミネラルウォーター
発祥企業の地

ミネラルウォーターの発祥である企業の富士ミネラルウォーター様を始め、
多数の大手企業が富士吉田市の水源に集まっています。

山梨県内一の出荷額

富士吉田市におけるミネラルウォーター(飲料)製造出荷額は、平成16年は約48億円、
直近のデータでは、平成28年約289億円まで急激に拡大しています。
各社の設備投資や新規参入の状況を勘案すると、平成29年には450億円、
平成30年には520億円に拡大すると推計しています。

40年の時を経て
たどり着いた私たちの水

慶應義塾大学理工学部の名誉教授である鹿園直建氏の調査では、
標高約2000m付近から富士山の地層を通り、約25~40年をかけてふもとの街に湧き出していることがわかりました。
つまり、富士吉田の水は、約25~40年前に富士山で生まれ、地中を通ってきれいなまま私たちのもとに辿り着いた清冽な水なのです。

どうやって水の年代を
測定するの?

「トレーサー」と呼ばれる、水に含まれる様々な物質の濃度を測定することで、その水が富士山に蓄えられた年代を知ることができます。
代表的な方法の一つに「トリチウム」という物質を用いる方法があります。
ただ、この物質による測定では、吉田市内の湧水は1950年〜1990年の間に富士山に蓄えられたという大まかな幅しか推定できません。
2011年よりはじまった慶應義塾大学の調査では「CFCs」という物質を用いることで、これまで以上に正確な推定ができるようになり、約40年前の水であることが明らかになりました。

水に育まれた富士吉田市

織物の町として有名な富士吉田市。
郡内地域で織物が栄えた背景には、染色の際の色の染まり方や、生産力の拡大など、様々な側面で水が大きく関わっています。

水の力で生産力アップ

▲高機(手織)
▲動力となる水車
▲力織機

「明治〜大正期には、「高機」と呼ばれる手作業の織機に代わって、水力を活用した「力織機」が登場しました。
力織機の普及により生産量は飛躍的に伸びていき、その後は需要拡大の時流にも乗り、当時の主力であった甲斐絹は昭和初期にかけて最盛期を迎えることとなります。

写真出典:「郡内機業の起こりと史的展開」富士産業技術研究所

富士吉田らしい色を
生み出した豊かな水

▲紫根の収穫

富士吉田では化学染料が導入される以前は、富士山周辺で採れる「矢車(ハンノキの実)」や「紫根(紫草の根)」による染色が盛んでした。
ここから生み出される「鉄色(黒に近い、ごく暗い青緑)」をはじめ、黒〜鼠系統や紫系統の染色が地域を代表する色であったと言えるでしょう。